「アドレナリンジャンキー」を読んだ
October 03, 2020
8月に@voluntasさんの以下のツイートを見て買ったものの、積読されていたので消化。 トム・デマルコの3冊をおすすめされていて、全部読むつもりだが、第一弾としてプログラマーでい続けたいと今は思っているので、「アドレナリンジャンキー」を読んだ。
経営者になりたいプログラマーはデッドラインがおすすめ。プログラマーでい続けたい人はアドレナリンジャンキーがおすすめ。プロダクトマネージャーになりたい人はピープルウェアがおすすめ。
— V (@voluntas) August 11, 2020
いろいろな組織のパターンや事象に皮肉めいた名前をつけて86パターン紹介されている。 あるあると共感できるものもあれば、ギクリとさせられるもの、経験したことのないものなど様々紹介されていた。 組織・チームにおいて曖昧に過ごしていたりすることがうまく言語化がされていて良かった。
特に印象に残ったのは「永遠の議論(Endless Huddle)」と「暴力脱獄(Cool Hand Luke)」という対立に関するもの。
永遠の議論(Endless Huddle)
多くのプロジェクトチームにおいて、いかなる決定も最終的なものではないことがほとんどであり、その結果として納得のいかない決定に対して、不平不満をもらしている間、メンバーのパフォーマンスが下がってしまう。
リーダーは議論を打ち切る時を見極め、メンバーに議論をやめさせる責任があるという話。
また、これは組織の文化から起こる問題であるとし、「アメリカ海兵隊のドクトリン」から以下の引用を行って、有効な意思決定のプロセスについて話している。
司令官が決定を下して表明するまでは、部下は、たとえ上官の意見と異なっても、専門家として正直な意見を述べることが自らの義務だと考えるべきである。しかし、ひとたび決定が下ったら、部下はそれを自分自身の決定であるかのように支持しなければならない。
組織にあった意思決定プロセスを明確にした上で、決定に従うことと、決定に賛成することは別物であり、決定を受け入れる文化を形成することが必要と述べられている。
暴力脱獄(Cool Hand Luke)
協調に失敗した時、それをコミュニケーションの失敗のせいにすることがあるが、それは全くの濡れ衣であるという話。 実際にはれっきとした対立があるにもかかわらず、それをコミュニケーションの失敗とみなすことは本当の原因から目をそらすことになる。
品質と生産性、エンジニアリングとマーケティングなど、時として両立が不可能でバランスをとっていかないといけないものは存在する。 組織において対立は当たり前に存在するものという前提の上で議論することでこそ、良い結果が得られると述べられている。
プロとして振る舞うこと
集団対個人、個人対個人、上司対部下、異なる職種間など様々な形で対立は存在する。 全員が賛同し納得する決定や制度・ルールというものは存在しなからこそ、この2つのパターンを思い出し適切な振る舞いができるよう心がけたい。
自分自身、譲れない部分を長々と議論してしまったり、意見が合わない場合に相手がそこに至るまでの思考過程を理解していないからだと捉えて説得しにいってしまうことがある。
メンバーであるとき、決定に対してプロとして分別のある振る舞いをしていく必要があるだろうし、決定する側であるときもまた対立的な意見をくれる人たちをプロとして意見をくれているのだと軽視せず捉える必要があるだろう。